夜へ
Pentax MX, smc PENTAX-M 1:2.8 28mm, Fujifilm 100 ACROS
この列車は、深夜0時ちょうどに終点に着きます。
すっかり日も暮れて外はもうまっくらですね。
これから終着駅まで、車内は消灯します。
車窓から覗いてみてください。
遠くの方に小さく、でも、輪郭のはっきりとした光る箱が見えますね。
あの箱の中には、路地に咲くアジサイの花とか、夏の日のコーラ フロートとか、冬の海の砂とか、窓辺のラナンキュラスの花とか、春の日に遠くから聞こえてくるセスナ機の音とか、夜明けの電車の音とかが入っているんです。
こんなに遠くまできたのに、ちゃんと光が届くのですね。
列車は、夜を突き進みます。
どんどんどんどん。
終着駅まで、もう少しの辛抱です。