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春の晴れた日と、装置としてのカメラと、君について


Pentax K100D, smc PENTAX-M 1:2.8 28mm

「今日は本当に良い天気だね。」

君はそう言って、カメラという装置で僕らの上に広がる空気を透き通ったガラスの箱に、どんどん詰めていった。

カシャリ

ガラスの箱に空気をひとつ詰めるたびに、君はガラスの箱を光にかざして検査し、大事そうに木箱にひとつひとつしまっていく。

こんな良く晴れた日に、その作業をする君を眺めているのが僕は大好きだ。

  ・・・

時折、君はガラスの箱をひとつ持って僕のところにやってきてこう言う。

「ねぇ、これ、イイと思わない?」

僕は、

「君の撮る “空気” は世界一素敵だよ。」

という。君は、

「私はあなたに褒められるのが一番嬉しい。」

と笑って、また、透明な四角いガラスの箱に空気を閉じ込め始める。

僕は、君の持ってきたガラスの箱を太陽にかざしてみた。
その中には、空気と一緒に君の体温も閉じ込められているような気がした。

僕はどこまでも青く透き通った空を見ながら、僕たちは真空の宇宙の中にぽつんと浮かんだ星の上にほんの一瞬存在しているだけなんだ、ということを実感した。

とても良く晴れた春の1日だった。

  ・・・

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コメント

>「私はあなたに褒められるのが一番嬉しい。」
そうね、褒めてくれてくれてれば、今私は一人であちこち出かけてないかも(^^;
そんな過去があったな~私にも。
たわいない、そんな一言でも、女には大事なの。
男にはどうでもいい、そんな褒め言葉が嬉しくて笑顔になったりできるんだなぁ~。

ある日、笑えなくなった自分に気が付いて....。

カルネさん:
こんばんは!
そーですかぁ、カルネさんにもそういう“過去”があったんですね。

やっぱり、一緒にいるなら、そういう“皮膚感覚”を共有できる人じゃないと、最後はやっぱり辛くなると思うんですよね・・・僕は。

> 笑えなくなった自分に気が付いて

あぁ、わかります。
僕も年末からほとんど笑っていませんね。

いつもながら深読みし始めると、
難しい話を感じてしまいますね。

そこへのコメントは控えるとして、
28mm、いつもいい写真を切り抜かれますよね、
あの印象的なやかんの写真もあると思えば、
赤レンガに澄み渡る空、
レンズを使いこなすのhirobotさんの腕を感じちゃいます。

この赤レンガを見ていると、
横浜の赤レンガに似ているように感じますよ。

柊さん:
こんばんは!コメントありがとうございます (u_u)

> 深読みし始めると

浅めでお願いします(笑)

> レンズを使いこなす

使いこなすというよりも、この 28mm が本当にイイんですって。柊さんも是非使ってみてください。
マヂ、イイっす。このレンズ。
(ちょっと後ボケがごちゃっとするのが難点ですが)

> 横浜の赤レンガに似ているように

あ・・・いや・・・その通りです(笑)

やっぱり横浜の赤レンガ倉庫でしたか、
今度自分も構図真似して練習してきます!

柊さん:
こんばんは!

> 真似して練習

またご謙遜を(^_^)

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