螺旋階段
Pentax K100D, smc Pentax FA43mmF1.9 Limited
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彼とは以前、螺旋階段の24階の踊り場で会ったことがある。
彼は、少し広くなった踊り場で、同じところをずっとぐるぐると回っていた。
少し悲しげに首をかしげながら、彼は歩いていた。
“ぐるぐる回りの刑”だそうだ。
“ひとの気持ちを分からなかった”という罪でその刑を科せられたのだそうだ。
「でも、それは仕方ないと思う。僕がアカン人やから。仕方ない。」
「たまに君のような人が通りかかって、僕の事を気にかけてくれる。僕はすごい嬉しいんだよ。ほんとにほんとに嬉しい。」
「君は上の階に行ってしまうから、もう二度と会えないのは分かっているけど、また毎日ぐるぐる同じところを回りながら、もう一度会えたらいいな、って思うんだろうな。もう二度と会えないのにね。」
「またこの階で僕は誰かに出会うだろう。そのときは僕は君の事を思い出すと思う。でも、その人は君じゃない。もう君には二度と会えないんだよ。」
「ありがとう。僕のことを気にかけてくれて。もう会えないけど、君の事は忘れないよ。」
彼はそういって僕を見送った。
僕は120階まで来た。
下を見ると、小さく小さく24階の踊り場が見える。
小さすぎて彼の姿は見えないけど、きっとまだずっとぐるぐると同じところを回っているのだろう。
少し悲しげに首をかしげながら、罪を償うために。
それが君に課せられた罰なんだね。
君は今も償っているんだね。
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コメント
この写真は、 hirobotさんの
お家から見える夕空ですか?
ガラスで出来ている?植木鉢が
光に反射していますね^^
言葉となんだか写真が
リンクしているようで、寂しさ少し
感じました。
投稿者: ricora-s | 2007年06月03日 23:53
ricora さん、コメントありがとう。
今度はサーバー側でコメントをうまく受信できました。
先日はせっかく書いていただいたのにすみませんでした (u_u)
この景色は僕にとってもとても淋しく写る景色です。
それが ricora さんにもきっと伝わったんですね。
投稿者: hirobot | 2007年06月04日 00:15
人生とは、最上階も最下階もない螺旋階段を、ひたすらぐるぐる行ったり来たりしているように思える時があります。どんなに上ろうとも最上階にたどり着けない不安と、降りても降りても地上が見えない孤独・・。今日も明日もぐるぐるぐる・・・。
今、プチ鬱かな・・(笑)
投稿者: チューリップ | 2007年06月05日 15:39
チューリップさん、こんにちは。
わかります。
僕も、登っているのか、降りているのかわからなくなりました。
あがいても何もかわりません。
困ったものです・・・
投稿者: hirobot | 2007年06月05日 16:26