夏の夜道と夜風と君が蛍光灯に与える影響についての考察
Pentax K100D, smc PENTAX-M 1:2.8 28mm
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僕たちはあまり外食をしないほうだったけど、夏の夜にはたまに地酒を出す居酒屋にも行ったりした。
居酒屋からの帰り、少し涼しくなった風に当たりながら、僕たちはいろんな話をし、いろんな発見をし、いろんなお互いの共通点を見つけて笑った。
いつも通っている道なのに、君と歩く夜道は特別な感じがした。
電信柱の街灯や、コインランドリーの入り口から漏れて来る光も、とても優しく涼やかに感じた。
狭い道だったので、車とすれ違うたびに僕たちは縦に並ばないといけなかった。
「子供じゃないんだから。それに・・・」
君が車道側を歩こうとするたびに、危ないよ、と言って場所を換わろうとすると、君はそう言って、
「そんなに押したら、溝に落ちちゃうよ。」
と笑った。
信号待ちで横に並んだ僕たちは、黙って手をつないだ。
車の流れが切れて、あたりが一瞬静かになった。
大通り沿いの公園から、虫が小さな声で鳴いているのが聴こえてくる。
通りの向かいのマンションの明かりが歩道を照らし、君と僕の長くうっすらとした影を作っていた。
夢の中のような夏の夜、僕はこんな穏やかで静かで幸せな夏がいつまでも続くような錯覚にとらわれていた。
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