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summer, true-coloured.


Fujifilm Finepix S3 Pro, AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G

  ・・・

その年の夏は僕にとって特別な夏になった。

あらゆるものが鮮やかで、空気は透明度が上がったようだった。

午後の街路樹の葉の隙間から落ちてくる白い光にも匂いが感じられたし、喫茶店の普通の氷水の冷たさもとても透き通ったものに感じられた。

僕は “魔法” を見ているようだった。

彼女の言葉は音楽のように溶け込んできたし、彼女が撮る写真は、僕の目で感じたものがそこに写りこんでいた。

  ・・・

「こんなおっきなカメラで写真撮るの初めてなのよ」

僕が驚くと、彼女は

「才能あるかな?」

とくすくす笑った。

  ・・・

窓の外は、すっかり夏の日差しだ。

室内との明るさの違いに目を細めてガラス越しに外を眺めた。

僕は僕の属する世界がこれほど色鮮やかなものなのだということに初めて気づいた。
  
  

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コメント

涼しげな印象のお話ですね。
そして・・・
この写真のモノは何だろう。
不思議な形。

3年前の夏が
そんな感じでした。

いつか、また、特別な夏は
訪れるのかな。
そう願いたいです。

先のことは誰もわからないけれど。

hayano さん、おはようございます。

お返事遅くなってすみません!
この写真のものは、近所のインド料理屋さんの壁に飾ってあるオブジェです。
なにか不思議な感じですよね。

yuki さん、おはようございます。
お返事遅くなってすみません!

きっと訪れますよ、なんて根拠のない気休めはとても言えません。僕も「僕は打ち捨てられた人間だ」って思うことはあります。でもいつも思っています。「僕はまだ生きてる。まだ終ったわけじゃない。まだ終ったわけじゃないさ」って。

まだ終ったわけじゃないですよ。

僕らの人生、これからもっと苦しいかもしれない。でも、もっと幸せかもしれない。それは確率論的に五分五分です。
結構いい確率だと思います。
イチローの打率よりいいわけですから。

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