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【続】諦める事は諦めない事より難しい


Sigma DP2, SIGMA LENS 24.2mm 1:2.8

この間ここに書いた「諦める事は諦めない事より難しい」に、音羽屋さんから素晴らしいコメントをいただいたので紹介。
以下、音羽屋さんのコメントをそのまま引用 (引用許可頂いています)。

*** 引用、ここから ***

音羽屋的。には実は枕詞というかサブテーマがありましてですね、ご存じかもしれませんが、「諦聴諦聴」というのがそれです。
「諦聴諦聴音羽屋的。」
(yahooで諦聴諦聴を検索するとその記事がトップに出てくるw)
これって、釈迦の言葉で、仏説観無量寿経というお経の一説なんです。和訳すると、「あきらかにきき、あきらかにきけ」というふうになります。

おもしろいなぁと思うのが、「あきらか」と読む「諦」という字は、ここでもあるとおり「あきらめる」とも読むんですよね。
つまり、自分があきらかになる=自分の器がわかる=ありのままの自分を受け入れる、という見方が出来ると思うんですが、すなわち、あきらめることとあきらかになることはイコールなのではないかと。
僕はそれをこのお経の一説に出会って考えるきっかけをもらいましたが、hirobotさんがそういう背景なしに「諦」という概念を同じように受け止めておられたことに正直驚きと感動があります。
本当に諦める。自分ではどうしようもないことを悟る。そこで初めて自分というものがあきらかになる。
これって、真に自分らしく生きるためのスタートラインなのではないかと思うのです。そして、自分含め、いろんなことを諦めきれずにもがきながら、結局そのスタートラインに立つこともかなわぬままに死んでいくのが人間の悲しさなのかなと。。。
投稿者: 音羽屋 | 2010年06月11日 09:19
***引用、ここまで***

以前にも音羽屋さんには、僕が気付いたことを日記にしたときに、「それは南無阿弥陀仏の世界観ですね」と教えていただいた。なんとなく形を取りつつあった僕の考えが、明確な姿をして目の前に現れた瞬間だった。

今回のコメントでも、僕の考えていたことは、何千年も前に既に釈迦が考えていたのだ、と気付かせていただいた。すとん、と腑に落ちる、とは、このことだ。

「諦めること」というのは、「努力をやめること」とはまったく違って、「自分にとって都合の悪いことにも目を開き、心を開いて、自らの身の丈を明らかに見て、自らの限界を知ること」で、これは本当はとても厳しいこと。

身の丈を知る、それは傲慢になっても、卑屈になっても、上手くいかない。
自分にできることを知り、同時に、自分にできないことを知る。
それは、限界まで行かなければ分からない。

諦める前に自分は本当に限界まで攻めているか?
逆に、見たくないものを見ないために、ただ諦めることをしていないだけではないか?

常に自分に問いかけることができて、初めて身の丈を知り、「諦める」ことができる。
それは、まさに「明らかに見る」ことなんだと思う。



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コメント

いやーしかしでもほんとそうだなぁと思うんですよね。諦聴諦聴。すばらしい教えだなと。

あきらめるってほんと難しくて、心の中にチリチリ残ってるうちはあきらめてるんじゃなくて未練たらたらで、それは迷いのもとにもなって・・・

諦める境地に自分が立てるのかといえばはっきり言って自信がない。でも、そういうことを意識しておくだけでもちょっと人生変わる気も。

いい思考をぐるぐると巡らせるキッカケをいただきありがとうございました。

*** 音羽屋さん ***
こんにちは。

こちらこそ、ありがとうございます。
「南無阿弥陀仏」にしても「諦聴諦聴」にしても、音羽屋さんにうかがわなければ、僕の考えていたことがそんな体系的に思想哲学として整理されているとは気付かないまま生きるところでした。
本当にありがとうございます。

また、これからも、「考えるヒント」を教えていただけたらとてもうれしいです。


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