入梅しましたね
イラスト：セキヒロタカ
2か月ぶり位 (？) に、絵を描きました。連載小説書いていた時以来かな。
というか、正確に言うと完成した、という感じ。この絵は、描きかけの時間が長かったから。
2008 年のちょうど今頃、南ヨーロッパを旅行していたころの風景。
その時の写真を見ながら描いたので、ちょっとリアルになりすぎた。なので、逆にリアルじゃない。こういう絵を描こうと思っていたので目的は達成しているのだけど。
たとえば、4/6 のサクラ並木の絵なんかは、実際の風景とは似ても似つかぬ絵だけど、逆にリアルに感じる。似顔絵がいい例だよね。
・・・
以前に書いた話を思い出したので、少しだけ変えて再度載せることにします。
・・・
『上昇気流』
入梅 (つゆいり) 前のからっと晴れた日に T シャツを干すことくらい気持ちの良いことって他にあるかな？
・・・
入梅前の晴れた金曜日、僕は君が会社に行くのを見送ってから、部屋の窓とカーテンを全開にして、洗濯機に洗濯物を放り込んだ。
コーヒーメーカーでコーヒーを落としながら、仕事の準備をする。開けた窓から公園の上を通り抜けた風が勢いよく入ってきた。
洗濯物を干し終わってから、僕は落としたてのコーヒーで作ったアイスコーヒーを持ってベランダに出て、ぼんやり外を眺めた。
「ちりん、ちりん。」
自転車のベルの音が小さな音で聞こえてきた。
下を見ると、公園に植えられた楠の幹の隙間から、公園沿いの道をゆっくり走っていく自転車が見えた。
時折、少し強い風が吹いて、洗濯物がなびき、かすかに洗剤の匂いが周りに漂った。
僕はパリッと乾いた T シャツを想像し、二人で T シャツをひとつひとつたたんでクローゼットにしまうところを想像して、幸せな気持ちになった。
空は、これからもずっとこんな気持ちでいられることを約束してくれているかのように気持ちよく晴れていた。
遠くでトンビがサーマルを捉まえて気持ちよさそうに、くるっくるっと回っていた。
・・・
結局、その約束は守られないことを知ったのは、その少し後だった。
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まで
コメント
こんばんは♪
最初、お写真かと思ってしまいました(^^ゞ
南ヨーロッパの風景なのですね。
扉？のブルーの色が、とてもお洒落です(^^)
投稿者: Kino_A | 2010年06月17日 23:15
*** Kino_A さん ***
こんばんは。
コメントありがとう！
そうそう。この扉の色がそれっぽいですよね。
ここは南仏ですが、土から作るテラコッタの色とこの扉などの色がとても相性が良くて綺麗でした。
投稿者: hirobot | 2010年06月17日 23:34
はじめまして。ランキングからお邪魔しまして、一読で惹きつけられてしまいました。
行間を読ませる、けれど簡潔で情緒的な文章で、隠れファンでしたが、今日は小説を読ませていただいたので、初コメします。
短い小説でしたが、謎・・・恋愛（以上のもの？）、すごく感動しました。
私も、ちょっとだけ、エッセイや詩を書いたりしますが、
深いインスピレーションを受けて、もっともっと、私もhirobotさんのような文章を書きたい！と、意欲を掻き立てられました。
ブログのタイトルに惹かれて、最初お邪魔したんですが、タイトル素敵ですね～＊
これからもファンでい続けますので、たまにコメントしたりするかもしれません。
そのときは、またよろしくです☆
投稿者: yuco | 2010年06月21日 12:11
*** yuco さん ***
はじめまして。コメントありがとうございます。
それは褒めすぎです(笑)
でも、ありがとうございます。とてもうれしいです。
（「小説」は「新月前夜、窓、そして君の事。」のことですよね？）
ランキングから来ていただいたんですね。そろそろやめようかと思っていたのですが、やめなくて良かったです(笑)。お話は、「lost*+found」 の方にまとめていますので、もしよかったらそちらも読んでいただけたら喜びます。
これからもコメントお待ちしてます。よろしくお願いします。
(u_u)
PS
yuco さんのブログ、アクセス数すごいですね！
投稿者: hirobot | 2010年06月21日 12:46
何度もコメント失礼します～
いや、ほんとうに、私は大好きな文章です。
ランキングから知るひと、きっともっとたくさんいらっしゃると思いますよ＾＾
そうです！「新月前夜、窓、そして君の事。」です。
最初は、SF？とか、ミステリー？とか思ったんですけど・・・ああくるとは。
してやられました。笑
特に、「耳たぶ」っていう章が大好きです。
他のお話も読みました！
短い文章でも、ぐぐぐっときます。
私は江國香織さんとかが好きなんですけど、やっぱり言葉を大事にされる方のブログや小説っていいですね＊
また、しつこいぐらいにコメントしないように、自分を抑えつつ、日参させてくださいね。
勝手ながら、リンクさせていただきました。
事後報告になってしまい、すみません＞＜
もし不都合があれば、お申し付けくださいね。
P.S.
アクセス数は、今日たまたまです。
なにが原因なのかひとしきり考えてみましたが、さっぱり分かりませんっ。笑
投稿者: yuco | 2010年06月21日 14:41
*** yuco さん ***
コメントありがとう！褒めてもらえてうれしいです。
江國香織さん、いいですね。
実は僕も3年前に教えてもらって知ったのです。
しつこいくらいのコメント、大歓迎です！
なんなら、毎日１０本くらいいかがですか？(笑)
リンクもありがとうございます。
もちろん、リンクも大歓迎です。
（僕のブログ、ちょっと管理上の都合で他ドメイン（seki.net 以外の）へのリンクはトップページに置けないようにしているので、yucoさんのブログへのリンクを張れなくてごめんなさい。）
投稿者: hirobot | 2010年06月21日 15:35
絵から、日差しの強さを
感じます＾＾
懐かしさも感じてしまい、
好きな絵ですね。
と言っても、フランスは
行ったことがないけど＾＾；
文章を読んでいると、
その情景が浮かびます。
投稿者: リコラ | 2010年06月22日 00:07
*** リコラ さん ***
こんばんは！いつもコメントありがとう！
絵も褒めてくれてうれしいです！
うんそうなんだ。この時はとても日差しが強かった。
南仏の日差しの強さって、日本のとは少し違う気がする。なんでだろうね。
投稿者: hirobot | 2010年06月22日 00:40
hirobotさん、こんにちは。
絵の具でも、イギリスの緑を表現する時は、W&N(イギリス産)の緑じゃないとと言われたり、フランスのプロバンス産のフラゴナールという絵の具は、プロバンスブルーなる色まであります。
きっとその国によって、太陽の光の降り注ぎ方や強さが違って、同じ色でも違って見えるんだなぁと思います。
なので日本とフランスでは、同じ太陽でも違うんだなぁと。そう思います。(^^)
投稿者: なん | 2010年06月22日 09:10
*** なん さん ***
おはよう！いつもコメントありがとう。
＞イギリスの緑を表現する時は、W&N(イギリス産)の緑じゃないとと言われたり、
＞フランスのプロバンス産のフラゴナールという絵の具は、プロバンスブルーなる色まで
すごい！絵具ではそういうのがちゃんと用意されてるんだ！！
Illustrator の Pantone のライブラリにはない(笑)。（最新のにはあるのかな？）
イングリッシュガーデンの青紫色は日本ではあんな風にならないし、沖縄のハイビスカスは本州ではあんなに綺麗じゃない。
多分、京都の町屋をパリにもっていってもあの風情は出ないだろうし、浅黄色の着物も地中海の光線ではあの味わいは出ないと思う。
そういえば、昔一緒に仕事をした広告プロデューサーの前田さん（僕の小説に出てきた「前田」は彼の名前を使わせてもらってます）は、「インドネシアでめちゃ美味いビールを見つけて、苦労して日本にもって帰ったのに、日本で飲んだら美味くない。地のビールはその場で飲まないとだめだな」と言ってたけど、そんなもんなんだろうね。
投稿者: hirobot | 2010年06月22日 09:42