« よーするに、デコトラ?笑 | メイン | 新月前夜、窓、そして君の事。【第 2 話】 »

新月前夜、窓、そして君の事。【第1話】


文・イラスト: セキヒロタカ
 
 
あれは何年前の冬だったかな。
骨のように白く細くなった月が新月になる前の晩だった。僕が「そのこと」に気づいたのは。

その日はとても晴れていて、放射冷却で外は冷え込んでいたのだけど、ブラインドの隙間から見えた三日月が気になり、ふとベランダに出たくなった。
原稿締め切りの直前だった僕は、風邪を引いてしまわないように、ファーがたっぷり付いたランチコートを着込んだ。そして、お湯を沸かして温かいコーヒーを作り、蓋付きのマグカップに入れて、ベランダに出た。
コーヒーを飲みながらベランダで月を眺めていると、僕の部屋から見て月の端がビルにかかったとき、そのビルの最上階の部屋の明かりが点いて消えてを2度繰り返した。
僕はなぜかそれが妙に気になったが、そんなことはひと月も経たないうちに忘れていた。

その翌月、その日が新月の前の晩だったことを思い出し、先月妙に気になっていたことを一緒に思い出した。
僕がベランダに出て新月前の三日月を観察していると、月の端がビルにかかったとき、またあのビルの最上階の部屋の電気が2度点滅した。
僕はそれ以来、とてもそれが気になり、毎月、新月の前の晩になると、三日月とそのビルの最上階の部屋の電気を観察した。

  ・・・

そう。
その新月の前の晩も同じように僕はその部屋(正確に言うと、そこに明かりがつくであろう窓のような場所)と三日月を観察していた。
しかし、それはいつもの新月の前の晩とは違った夜になった。

(つづく)

  ・・・


 * * 日々の“応援ポチ”が僕のモチベーションの源泉です (u_u) →

コメント

早く続きが知りたい私です。
年内にお願いしますよ。
ワクワク、ドキドキ感。

*** funamyu さん! ***
ちょっとびっくりしましたよ!!
今アップしたばっかりなのに!!!
ありがとうございます。
そういってもらえてとてもうれしいです。
誰かがコメントくれたら話の続きを載せようと思っていました。

もちろん、話はもう最後までできていますので、おたのしみに!

ゎぁ わぁ わぁ!!

このイラスト素敵~!!

すごい好きです

*** みちる さん ***
こんばんは~。コメントありがと!

> イラスト

そっちに反応ッスか?
10分くらいで適当に書いただけっす。

>そっちに反応ッスか?

・・・ぁ、、やっぱり文章の雰囲気を重ね合わせて見るから
より一層 印象的ななイラストに思えるんでしょうね。うんうん

*** みちるさん ***
あー、とってつけたようなコメント、どーもです。
(=_=)

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




作者 “hirobot” について


音楽と写真とモータースポーツを愛する翻訳屋です。


メールは、 まで






無断転載はご遠慮ください







“お話”まとめました

 →  lost + found



PENTAX好きはぜひ

 → LOVE → Digi-Pen



僕のホームページです

 → $HOME/.profile








コメント

トラックバック