新月前夜、窓、そして君の事。【第1話】
文・イラスト: セキヒロタカ
あれは何年前の冬だったかな。
骨のように白く細くなった月が新月になる前の晩だった。僕が「そのこと」に気づいたのは。
その日はとても晴れていて、放射冷却で外は冷え込んでいたのだけど、ブラインドの隙間から見えた三日月が気になり、ふとベランダに出たくなった。
原稿締め切りの直前だった僕は、風邪を引いてしまわないように、ファーがたっぷり付いたランチコートを着込んだ。そして、お湯を沸かして温かいコーヒーを作り、蓋付きのマグカップに入れて、ベランダに出た。
コーヒーを飲みながらベランダで月を眺めていると、僕の部屋から見て月の端がビルにかかったとき、そのビルの最上階の部屋の明かりが点いて消えてを2度繰り返した。
僕はなぜかそれが妙に気になったが、そんなことはひと月も経たないうちに忘れていた。
その翌月、その日が新月の前の晩だったことを思い出し、先月妙に気になっていたことを一緒に思い出した。
僕がベランダに出て新月前の三日月を観察していると、月の端がビルにかかったとき、またあのビルの最上階の部屋の電気が2度点滅した。
僕はそれ以来、とてもそれが気になり、毎月、新月の前の晩になると、三日月とそのビルの最上階の部屋の電気を観察した。
・・・
そう。
その新月の前の晩も同じように僕はその部屋(正確に言うと、そこに明かりがつくであろう窓のような場所)と三日月を観察していた。
しかし、それはいつもの新月の前の晩とは違った夜になった。
(つづく)
・・・
コメント
早く続きが知りたい私です。
年内にお願いしますよ。
ワクワク、ドキドキ感。
投稿者: funamyu | 2009年12月21日 16:55
*** funamyu さん! ***
ちょっとびっくりしましたよ!!
今アップしたばっかりなのに!!!
ありがとうございます。
そういってもらえてとてもうれしいです。
誰かがコメントくれたら話の続きを載せようと思っていました。
もちろん、話はもう最後までできていますので、おたのしみに!
投稿者: hirobot | 2009年12月21日 16:59
ゎぁ わぁ わぁ!!
このイラスト素敵~!!
すごい好きです
投稿者: みちる | 2009年12月22日 20:56
*** みちる さん ***
こんばんは~。コメントありがと!
> イラスト
そっちに反応ッスか?
10分くらいで適当に書いただけっす。
投稿者: hirobot | 2009年12月22日 21:02
>そっちに反応ッスか?
・・・ぁ、、やっぱり文章の雰囲気を重ね合わせて見るから
より一層 印象的ななイラストに思えるんでしょうね。うんうん
投稿者: みちる | 2009年12月23日 00:44
*** みちるさん ***
あー、とってつけたようなコメント、どーもです。
(=_=)
投稿者: hirobot | 2009年12月23日 10:07